スーツでスイーツをキメる理由

コラム

4月はホテルのアフタヌーンティーに行くことにしている。

なぜこの時期なのかといえば、
3ピースのスーツを着るベストシーズンだからだ。

札幌ではやっと雪が溶け、革靴が履けるようになる。

道民は冬でも革靴 を履く人も多いけど僕には無理だ。
今でも年に数回は氷の上で転んでいる。
(札幌に移住するまでここは雪国だと思っていたけど、実際は氷の国だ!氷の世界!)

今年も役所に行く途中に盛大に転んでしまった。

中途半端に雪解け中だったので水たまりが
できていてそこにモロに倒れ込んだ。
ただの水たま りというより泥水に近い水たまりに。

おかげでズボンがびっちょびちょ。
帽子もリュックもびっちょびちょ。

オフィスに戻る地下鉄の車内ではずっと立っていた。

席に座るにはズボ ンが濡れすぎていると
冷え切った大腿二頭筋が伝えていたからだ。

まるで廊下に立たされた小学生のようだ。
何も悪いことはしていないのに。

宿題もやったはずだし忘れ物もしていないはずなのに。

あのスーツを着てこなくて本当によかったと心底思った。

4月を過ぎると札幌には最高のシーズンが到来し、
自転車に乗らずにはいられなくなる。

そうなるとスーツの出番がなくなる。

というわけで、テーラーで仕立てた
3ピースのスーツをバシっときめて着るのに
最適な時期は、春のこの時期ということになる。

札幌においては。

もちろん自転車を諦めればもっと着れるんだけど、
4月を過ぎると札幌では自転車に乗らずにはいられなく…(以下ループ)

セミが成人を謳歌するのと同じほどの期間しか
ベストシーズンのないスーツを着るためにアフタヌーンティーなのだ。

1人でアフタヌーンティーをするのは
「正装して自分と向き合う時間」 ということにしている。

でも実際は食べるのに結構忙しくて
スイーツと向き合う時間になること は内緒だ。

スーツとス(ィ)ーツ 。
スーツdeス(ィ)ーツ。

似て非なる2つを同時に味わえる時間。

それがアフタヌーンティー。

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